~採用を制するものは経営を制す時代へ~

労務管理のポイントは、1.大入り袋、報奨金、2.人事評価、3.募集条件、4.労務管理の4点です。

1.大入り袋、報奨金とは、一日の患者数や医業収入の目標をクリアした場合に、支給する臨時のお金のことです。

大入り袋は、例えば一日の患者数を達成したら5百円を支給し、報奨金は、一ケ月の医業収入の目標を達成したら5千円を支給することが考えられます。賞与での支給ではなく、その日やその月の達成感を重視するためです。

数か月連続で達成した場合などは目標数を上げてより高みを目指す方法がよいでしょう。達成状況をスタッフで確認するために、定例のミーティングを開催することがスムーズです。

注意点としては、この大入り袋、報奨金が賃金に該当するのかどうか、という点です。明確な業績の達成に応じて、支払われることや、労働の対価としての性質が強いことから、賃金として管理することが望ましいでしょう。

2.クリニックの人事評価は、技能、人間性、企画実行力の3点のスキルごとの評価が必要になります。

技能が高いスタッフであっても、他のスタッフとの関係や部下の指導ができなければ職場環境が悪化します。目の前の仕事だけではなく、医院をどうしたらよくしていけるか一体となって考え実行してくれる人材が重要です。

評価には個別面談を行い評価内容をしっかり説明することで存在を認められる喜びを感じることができます。評価の説明の際には、まずはできている面、頑張っている面から説明するポジティブフィードバックを行いましょう。ポジティブフィードバックを行ったら改善点を話し合い、自らどうして行ったらいいのか方策を考えさせることが重要です。そして、締めくくりとして将来に向けての期待の言葉を添えることがポイントです。

さらには、評価の内容を冬のボーナスと連動させ、評価に応じて、70%~130%の間でスタッフ間の差を設けることも一つの方法でしょう。

3.募集条件については、人材不足・売手市場の今の時代では、「日曜診察や19時終業」はできるだけ改善したいところです。

日曜や木曜の診察を行うことによって、利便性が高まり、患者数は増加するかもしれませんが、利便性での競争に陥ってしまいスタッフが消耗し、良い人材が定着しないことになります。利便性での勝負ではなく、サービス内容の向上に力を入れるべきであり、医院同士の競争を超えて他の業界の会社との人材獲得競争となっているため、良い人材を採用するためには、将来を見据え、他の業界にも視野を広げできるだけ一般的な労働条件に合わせる努力をすることが望ましいでしょう。

4.最後に、労務管理についてですが、労務がしっかり整備されているかが就職先を決める基準になっています。

給与計算(残業代)、有休休暇、退職、書類(就業規則、雇用契約書、36協定)、パワハラを対応することが大切です。ここをしっかり整備・対応するだけでも、スタッフの不満の多くが解消されます。ネット上で労働に関する情報がすぐに調べれる時代、整備されていなければ「うちの医院はブラックだ」などとすぐに不満へと発展します。

また時間管理は最低限タイムカードで行い、時間のカウントは15分単位ではなく1分単位で行うことが法律上求められます。有給休暇については、計画的付与と呼ばれる付与に仕方を導入したり、変形労働時間制と呼ばれるものを採用するなどして、無理のないクリニック運営を行うことが望ましいでしょう。

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