◆違反行為は445件
フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下「フリーランス法」という)が施行され、11月1日で1年となり、同法の所管省庁である公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省は、3万社の発注事業者を対象に行ったフリーランスとの取引に関する調査(令和6年11月~令和7年9月)の結果を公表しました。
これによると、公正取引員会は、フリーランス法違反行為による4件の「勧告」と441件の「指導」を行いました。勧告は、大手出版社や音楽教室などに対し、同法3条1項(取引条件の明示義務)および4条5項(期日における報酬支払義務)、5条2項1号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反する事実について行われました。
また、同委員会は、今年3月にゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業などの事業者に集中的に調査を行い、45社に対して契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等の是正を求める指導を行いました。

◆ハラスメント対策や募集の際にも注意が必要
都道府県の労働局によると、ハラスメント対策に係る体制整備義務(フリーランス法14条)と募集情報の的確表示義務(同法14条)の違反に関する指導等が多くなっています。
 発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害しないよう相談対応のための体制整備などの措置を講じなければなりません。
また、広告等によりフリーランスを募集する際は、その情報について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければなりません。
 フリーランスに業務を委託する際には、フリーランス法で規制されている項目についてあらためて確認する必要があります。

【公正取引委員会「令和7年11月5日付け 事務総長定例会見記録」】
https://www.jftc.go.jp/houdou/teirei/2025/251105.html

【厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法施行から1年を迎えました!」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/bunya/freelance_00006.html